ゲームオーバー

最後にパソコンの前に座ってから9日が過ぎている。 改めていつものパソコンデスクを眺めてみると、なんだか異様に散らかっていた。以前から散らかってはいたものの、すっかり当たり前の光景になってしまって、雑然としていることにすら気がつかなかった。汚…

夜走るのが楽しい

帰宅してすぐスーツを脱いでTシャツと短パンに着替えランニングシューズを装着した。ドアを開けると外は夜。星々と月。空気はひんやりしていて幻想的な生き物が建物の隙間からニュッと出てきてもおかしくはない。ランニングシューズのゴム底は神秘的なまで…

ながされないこころ

好きなことが出来る時間と心と体力がそろいました。 それで、何をしようかなと考えました。 やりたいことはたくさんありましたが、今やりたいことはひとつでした。 それはお散歩へゆくことでした。 いつものお散歩の道を歩きます。僕はカメラを持ってきまし…

月曜日

月曜日が休みの日は映画を見に行くことにしている。 風呂に入って体を清め、服を着て外に出ると、まるでうららかな春がやってきたような明るい日差しが地上を照らしていて、半袖を着ていてよかったなあと思うのだけれども、季節感の全くない格好をしていると…

強い雨の中を駆け抜ける

駅の構内から濡れた路面が見えてた。朝は降ってなかったから傘を忘れた。 雨やどりしてる集団が響いてる。待ってるんだとすぐ分かる。 傘が無いときは隠れてるのが普通なんだろうか。静けさを待つのが。 博打が嫌いなのは努力をしても意味がないからだ。これ…

退屈について

いつもとは違う場所で仕事をすることになった本日は、退屈という気持ちを得る貴重な一日となり、退屈だなあと感じたのは2年ぶりくらいで、平素の生活において暇だとか退屈だとか全く全然感じておらずむしろ一日が35時間だったらいいのだすけど、はっきり…

フランダース

東京の町の面白いところは、町ごとに趣向があるところで、冒険者の町アンキルト、妖怪の町ネラーディス、ランウェイの町リセラ、知の町神保町、電気の町秋葉原、文化の町上野、みたいな風な、これはRPGとまったく同じである。RPGの面白みの一つに新し…

シミュレーション

「日曜日に面倒なアレがあるので、Gさんとシミュレーションしておいてよ」とモヒカン先輩はつぶやいた。シミュレーションとは最大限の準備を意味する言葉で、1から10まで誰にも質問をせず作業を終えられる状態を完了とする段取り作業だ。段取り八分とい…

夜の空気

K氏と夜の都会を歩いていると、僕は都会に住んでいるのだなと、別段何の感慨も抱かずに発見をする。ああここは故郷じゃないんだなあと考える。思えば遠くに来たものだと、そこまで考えてようやくちょっとしたノスタルジーの片鱗のような思いが姿を現す。そ…

曙光

日々の生活を、鬱蒼とした心の中で過ごしている陰気な僕ではあるが、このような者でも母がいて、父がいて、おそらく祝福されて生まれてきたのではないかと思う。両親は毎日ご飯を食べさせてくれ、寝床を与えてくれ、時には褒めて頂き、ゲームソフトやマンガ…

マッチポンプ

一年前に書いた文章が読みたくなり、フォルダを漁った。 私は一年前、こんな文章を書いていた。 『10年後の言い訳』 生きて、今日も煮物を食べている。それから明日のことを考えている。誰かが鼻歌を歌っている。アスファルトの上を鉛筆の芯のように硬い音…

かたちとたましい

池袋の街を異質な衣装を纏った人々が歩き回っている。街角に立って話をしている。様々なキャラクターがおり世界観は混ざり合いそれぞれの物語解釈が表出する。いつもの町は姿を変えて別世界になる。ハロウィンの季節になってほんのわずかな期間だけ現実には…

理想の一日

この間のこと、夜の渋谷のハチ公前でストリートミュージシャンを見学している3重の人垣に紛れて有象無象になりアイデンティティーを喪失させてくれるところは東京のやさしさです。 路傍の人になって名前のない5秒で忘れられる人になって軽やかに弦をストロ…

資格試験

今年ももうすぐ終わりそうである。 365回分ガチャを回して、キラキラのスーパーレアな一日もあれば、合成素材用の地味な一日もあって、それは当たり前のことだったけれど、好むと好まざるとに関わらず、ぱっと目を覚ました瞬間に、一日がぽんと飛び出して…

日記

必ず目覚めることが人生の課題になっている。起きる、風呂に入る、換気扇の下に立つ、スーツに着替える、髪型を整える。前髪を、気にする。鏡に映る前髪は、これは演じているようでもある。カメラ、アクション、前髪は眼球の前で演じているようでもある。監…

床屋

2,3年ぶりに床屋に行って冷や汗をかいた。 年を経るごとに髪型というもんがどうでもよくなり、生えていればいいんだろうなと単純に考えることが増えてきた折、同僚が坊主になって現れ「坊主は楽でいいよ」と教えてくれたため、インターネットでバリカンを…

彼岸花

あひるを読み終える。 本棚に文庫本を置いて、リビングのごろ寝マットレスに横になる。 アマゾンプライムビデオで映画を見る。 中東のテロリストをFBIがやっつける。 その間に何度か眠った。 心がそわそわする夢を見る。 目覚めた時、夢の中にいるのか、…

きらきら

高校生の頃、音楽のフェスティバルというものがあると知って、憧れた。すごいミュージシャンが集って一日中ライブをやって過ごすのだそうで、見に来る人々はみんな音楽が大好きで、野っぱらを歩き回ってビールを鯨飲したり、見知らぬ者同士肩を組んで歌った…

あぐねリリース

なんかのサイレンが町を満たす東京。その朝の光は故郷の窓から見た光と同じこともある。 モンゴルの草原の空と、荒川の河川敷の空は、実は繋がっているんだなと当たり前のことを当たり前のように感じられてうれしい。 僕が一番好きな俳句は種田山頭火さんの"…

残暑

いつもの散歩道です。 今日は空の青さが、目に痛いくらい、おかしなくらい鮮烈でした。

ものを綺麗にすること

机の横にシンセサイザーが置いてあって、それはもう長いこと埃をかぶっており、なんかの遺物のようになっていて、金属製の足元には本や書類やチラシや思い出や、わけのわからないものがたくさん集って集落を形成していた。それを創り上げたのは誰あろう僕、…

月休映行

月休映行。 昼寝坊して、起きてみると窓の外はもうすっかり晴れておるようで、台風が通過してしまったのでしょう、早朝は交通機関が乱れて大変だった気配がありましたが、いずこからか蝉の残党の声も聞こえていたりして、もうすっかり平静平穏のようでしたか…

白猫

強い雨が降っていて、僕は傘を忘れた。 駅からの帰り道、マンションの影や、木の枝の下を選んで歩いた。 赤信号を待つ時には、営業を終えた歯医者の前で雨宿りした。 雨の中に進むと、頭と肩に、雨粒のわずかな重みを感じた。 暗い道を、車のヘッドライトが…

腕時計が壊れていない

いつも腕時計を置く場所がある。 ノートパソコンの横。デスクトップパソコンと、本の山の間の狭い隙間。 その隙間に腕時計を置くことにしようと決めたわけではないのに、帰宅して着替えをする流れで外した時計を、いつもその場所に置いておく。意味も害もな…

漂流

琥珀を擦ると軽い物を引き寄せる謎の力が発生する。まるで神話のようだったから僕は神話の世界に住んでいる。 最初に静電気をみつけた人は、おそらく驚きすぎて手に持っていた琥珀を取り落して少し逃げただろう。ちょっと叫んでしまったかもしれない。そのま…

新しい本屋さんを現す

夜、訪れたことがない本屋さんの看板が白く赤く灯っている、矢印は左向きで、ビルの中に吸い込まれている。威圧感のあるビルの、トンマナ合わせた格好と感性を、僕は持ち合わせていない。ポケットの中のスマートフォンは、なんだか埃っぽいし、髪の毛も照っ…

退屈をしよう

獣と俳優と宇宙人が、三本の糸のように撚り集まって僕が出来ていた。 会社から帰って来る時、ひどい疲れを感じている。このところ疲れはピークにあり、重力が倍になって目に見える世界はぐるんぐるん回っていた。正体不明の憎悪、出処のよく分からない怒りが…

マシュマロのお返事

マシュマロをいただきました。 『ガラスのくつ』に対するコメント、あるいはアンサーだと解釈しています。 ガラスのくつを書いて良かったなあと思いました。僕が欲しがっていて、諦めたものが、このマシュマロに含まれているような気がしたので。 美しくて儚…

教え

最後の講義『みうらじゅん』「もし、今日が最後なら何を伝えたいか!」 とてもおもしろく、勉強になってしまう。 なんならすこし、生きるのがたのしくなってしまう。

ガラスのくつ

ガラスのくつが欲しいのに、ガラスのくつの楽しみ方がわからないことに気がついた。 それはおそらくとてもうつくしいもので、はかなく、高貴だ。 しかし、それだけなんだものな。 ガラスのくつを履いて、旅にでも出たい気分で、それはガラスのくつの本当のこ…