2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ベッドの上で

ベッドの上で常のごとく目覚める。枕元の携帯電話で現在時刻を確認する。時刻は10時であった。カーテンの隙間から朝日が差していた。ふとんの中でしばらく寝返りを打っていた。そういえばベッドの上で目覚めないこともしばしばあったなと思い出した。床や…

今日の印象

やらなければならないことは少ないのにやったほうがいいことがカビかキノコみたいに無からもりもり盛り上がってくる感じ、今日は月曜日でわたくしは休日。月休映行。 バスに乗っている間にニュースサイトをチェックしている自分はすっかり大人に感じられる。…

歩く体

小さな子供がやたらと走り回るのは、駅のホームを笑いながら駆け抜けるのは、公園の広場を文字通り走り、回るのは、もっと小さな頃、体の自由の利かない赤ん坊だった頃の不自由さから解放されていることに気がついたからだ。意味不明な言葉を口走るのは、新…

全然怖くない怖い話

同僚が次々に体を壊しており、休暇を取り始めた。 チームで健康なのは僕とゴーレム君だけになる。 どちらかが風邪でもひいたら、この現場は崩壊じゃないですか。とゴーレム君は言う。 そうだね、崩壊だね。むやみに黒酢にんにくなど食べようよね。と僕は言う…

その日、髭のリーダーは群青のTシャツを着ていて綿の短パンを履いている。 陽に焼けた筋肉質の黒い腕は半袖を境にして海豚の赤ん坊のような生白い肌をのぞかせていた。 リーダーはメタルフレームの四角い眼鏡をテーブルの上に置き瞼を指で押さえつけて人間…

Yomoyama

箱庭フランケン 壊れたパソコンを修理して使っている。 壊れる前にパソコンで使用していたデータは、摘出後に外部記憶装置へ移動させたから、修理後のパソコンはおどろきの白さで、デスクトップ画面にはアイコンが三つしかないことにはモンゴルの草原みたい…

居場所と再生

居場所というのは探すものではない作るものだ、とどこかで読んだか聞いたかして甚だ曖昧であるのだが、トニカク居場所は作るものらしく、創作物であるらしいのだが、己が身を振り返ってみて仮住まいでも居場所というものを与えられ、そこに仮初の居場所を作…

ありがとうの気持ち

ブログの記事が賞を頂きました。 審査頂いたはてなブログ編集部の方々、ホンダアクセスご担当者様。 ありがとうございます。 貴重な賞を頂きまして、大変嬉しいです。 記事を読んでくださった方々、スターをくださった方々、ブックマークしてくださった方々…

ありのままの日曜日

激しい震動が枕の脇から響いてくる。反射的に目を覚ましスマートフォンをひっつかむ。 知らない番号が表示されていた。氷山に閉じ込められているマンモスくらい知らない。もしかしたら誰かが、とても大事な用で電話をしてきてくれたのかもしれないから、戸惑…