今日の印象

 やらなければならないことは少ないのにやったほうがいいことがカビかキノコみたいに無からもりもり盛り上がってくる感じ、今日は月曜日でわたくしは休日。月休映行。
 バスに乗っている間にニュースサイトをチェックしている自分はすっかり大人に感じられる。ニュース、社会、人が何を考え何をして生活しているのか、その事実、あるいは事実未満。気になるニュースはメモ帳に書き写して、たぶん10年後に読み返すのだろう。
 映画館の含まれているデパートの最上階の美容室が行きつけで、伸びた髪を切ってもらおうと思っていたけれど新コロの影響で月曜日が臨時定休になっている。まさかどうして美容室が。タイダルウェーブの余波がすごい。荒廃した都市の国道の真ん中に立っている新人類が見えた。アイアムレジェンドみたいなイメージで、もし世界にわたくしがひとりならばその時にはわたくしが美容室だ。
 色々な自粛が目の前に広がっていた。自衛隊の広報センターも休館していた。喫煙所も閉ざされていた。映画館の座席はひとつ飛ばしでしか座れないようになっていた。東京のほとんどすべてのお花見が中止になっていた。それでも桜は一切自粛せずに満開で、人間に関係なく咲きまくっている。わたくしはそれがうれしい。
 映画を見たあと本屋さんに行って試験用の参考書をバイ貝する。趣味の試験なので費用をかけるべきか悩んだけれど、まじめに勉強してみるのも面白いかもしれないと考える。面白くしておくことが一番効果のある勉強法なんだと思う。
 デパートを出ようとしたとき、催事場にガラス工房の作品が並べてあった。主にコップ類だった。透き通ったガラスに青や赤や緑の色が混ざってきれいだ。色々な作品を見たあと、赤い色の入ったコップを手に取った。キリンなどの動物が草原に立っている絵が描いてあるコップで、サバンナ柄のガラス細工なんて見たことがないなあと思った。見ているうちに赤色はアフリカの夕焼けなんだと思った。バイ貝した。
 帰り道でAlva Notouni facを聴いた。とてもかっこいい。ノイズだけで構成されているようだけれど、耳に痛い部分がひとつもないし、ノイズのひとつひとつに明らかな音程があって、リズムだけではなくコード感も感じられ聴きやすい。この曲を聴きながら町を歩いていると、ひとつもおかしなことの起きない町が全部造り物のように見える。