4月30日

 

 youtubeでInfected Mushroomを聴いてなんだか懐かしい気持ちになった。
 サイケデリックトランスってこういう感じだったな、今でも良いと思える曲があるものだなあと思った。
 ファンタジックで鬱蒼とした森の中にいるみたいでずっと心の奥に潜っていくみたいな音楽だ。
 他にはどんな曲があったろうか。調べているうちにjungleやブルータルテクノに興味が移った。
 歌のない音楽のよいところは解釈の道筋が全く用意されていないところで、ひとつの音が伏線になって新しい音が重なったとき、コード進行が生まれ変わるとき、エフェクトで意識が遠のいて行くとき、音楽を組み立てている人の閃きを、僕は追体験している気がする。

 という音楽の話からずれるんだけれども、おすすめに表示されたAMVをなんとなくクリックして視聴し始めた時、素材に使われているアニメキャラクターのダンスが凄まじくてショックを受けた

 おかしい。これは人間が描ける類のアニメーションではない。これを手で描いたのだとしたらとんでもない天才アニメーターじゃあないのか。動作のひとつひとつが奇妙にリアルで目が奪われる。帽子を被って振り向くシーンの肩と腰がよじれきって反動で少し戻る感じまで再現しようとするアニメなんて普通じゃない。でも髪のふわふわした動きを見ると最近よくある3DCGっぽくもない。なんなんだこれは。わたし気になります! 気になったので調べてみるとロトスコープという技術が使われているのだそうな。実写をもとにして1000枚以上も手で描くらしい。とんでもない愛の話だった。それがなんの愛なのかはわからないけれど、ただのお仕事ではないと思った。
 素材の元になっているTVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』第3話エンディング映像を散々見た後で、AMVの方を再びみてみると、どうして『Hey ya!』という曲が使われているかも理解できて、少し笑ってしまった。
 3:40辺りから、ボーカルの人が「しぇきしぇき」言い始めるからだ。おそらくShake Itって言っているんだろう。
 この動画を作った人の閃きを、僕は追体験した気がした。