好きなことの日記

昼寝坊して起きた途端にゲームをする。『十三機兵防衛圏』は話題になっているゲームで体験版をダウンロードしている間に洗濯などをして休日であった。 少年少女、巨大ロボット、SFは鉄板だけれど現在流の作品はどうなっているのか僕は疎い。 プレイしてみ…

僕がミュージカルだったらの日記

今日も天気は晴れ。陽射しがぽかぽかしていて春の足音近し。 もし僕がミュージカルだったらかばんを振り回して躍っているね。 中華料理店の隣に居を構える白犬は、住まいの隣で渦を巻いて寝ていた。 昨日よりも確実に人々は薄着になっている。その適応力は、…

あたたかい日の日記

16度の陽射しが降り注いでいた。 1月29日はまだ冬で、町を往く人々の外套は分厚い。 しかし、道端のアスファルトを突き破ってたんぽぽが顔を出してもおかしくない程度に暖かく明るかったので、人々は冬眠を終えた熊のようにのんきに見えた。 新型コロナ…

かしこさ

電車の中に犬がいた。 ラブラドールレトリバーで、青い雨合羽を着ていた。 犬は人間たちの足元で伏せていた。 しっぽがぴんと伸びたままになっていた。 ドアが開き、人間たちの何人かが電車を降りた。 犬は一度立ち上がり、再び伏せた。 乗客の何人かは犬を…

シーソー

天使or悪魔のバランスを欠いている時には、はっきりと墜落している感覚が架空性足の裏に伝わっており、おそらく傾きが零 -ZERO-の地面に対して視線は仰角45度でロックされていたので、視野狭窄を起こしているのは瞳ではなく、瞳を司る意思の方、つまりいわ…

一日

給料日を過ぎていた。 軽い気持ちで銀行に向かいATMを操作して時間と体力と気力とを引き換えに手に入れた小銭を機械にお願いして財布にしまいながら、財布Bと財布Cに振り分けるべき金額を計算して昼飯には何を食べようか一生懸命考えなければ食べたい物…

はたちの雑談

今週のお題「二十歳」 ハローハローこんにちはこんばんはおはようございま~す、おはようございま~す、私しみです、私清水ございます、、しみしみしみしみ染み込ん。 今日は楽しく雑談をしますね、雪山とは、楽しいものなのだ、と僕はわかったのだな。だから…

はたちの文

今週のお題「二十歳」 はたちのころは、よくお酒を飲んでいた。 サントリーのREDや、ビーフィーターを、ガラスのコップに入れてぐいぐい飲んだ。 ジンはロックで飲むと夏にぴったりで、きりりとする。青い果物に渋くて、乾いた味がする。 お酒を飲みなが…

初詣の雑談

ハローハローびっくり、こんにちはこんばんはおはようございます愛をください夢を見なさい笑いなさいわかめ、、かつしじみ。 夜勤明けの朝ですぞ。気持ちがいいね、神保町の古書店は、カレーの匂いする。見慣れない若者たちが、銀杏並木を闊歩する。成城石井…

雑談のはじまり

ハローこんにちはこんばんはわかめ、味噌汁、真理です。真理です。4名です。44私です。清水です。 今日は、雑談をします。雑談を楽しくするのです。色 雑談と言うのは、日記ではなく、雑記ではなく、エッセイではなく、雑談でございます。 雑談と言うからに…

悪意と誇り

おそらく秋で、天気は雨で、午後四時くらいだったと思う。 ひとりきりの部屋でゲームをしていると、玄関の戸が開く音が聞こえた。 父は出張に出ていたから、母か姉が帰宅したのだろう。 居間に向かって開かれた自室の戸を見ていると、予想通り姉が現れた。 …

それはただの心配性

それは大丈夫だよししみさん、全然大丈夫。心配するだけ無駄というものだよ。何しろまだ一度も誰も怪我をしていないのだからね、と言う人の尻拭いを何度かして、あるいは被害を被ってみて思うんだけれど、大丈夫だよと根拠もなく言う人は、他者に危害を加え…

想像

赤ん坊があまりにも激しく泣きわめいている車中、足を広げて眠る茶髪のサラリーマン、手で口を隠して歯磨きをはじめるおばさん、日章旗のペイントがしてある日本軍のヘルメットをかぶった変な人、窓ガラスに映る疲れた顔の何者か、等を認識した時、頭の中の…

暗闇の窓から

みずいろのガウンを着て過ごしている。立った毛のあたたかなガウンで、着る毛布だった。ふかふかに包まれていることは寒くないために気持ちの良いことで、例えばフローリングの上で気を失って倒れても、ふかふかが衝撃を吸収し、ふかふかが体温を保温する。…

2020年令和2年

謹んで新年のお祝辞を申し上げます。 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。 本年もよろしくお願いいたします。 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 ということで今年は西暦2020年の令和2年の子年です。 2020…

冬の海

今年だったか去年だったか覚えていないけれど、ひとりではとバスに乗って東京を巡った時、コンクリートで作られた海岸線の一部に、まるで幻覚のようにぽっかりと砂浜が見えた。明るくて小さくて人のいないビーチだった。人々から忘れ去られてしまったような…

『スカイホープ 最後の飛行』の謎を解く

ある年末の茫漠とした昼下がり、よい気分で豆大福の写真を撮り「愚生のじんせいは10年前に終わったのだ」と呟きながらカレーライスを食べ、芥川賞について調べようとしたその時、知人A氏からラインにメッセージが届いた。これから得も言われぬ面白いゲー…

豆大福写真集

ねえ豆大福、ぼくはきみの写真を撮ろうとおもう。 豆大福「好きになさい」 豆大福「ショッキングな我輩を見よ」 豆大福「ど~~も~~! 我輩、豆大福で~~す!」 黒達磨「……」 豆大福「我輩は、野生のサイケデリック牛にも好かれている」 豆大福「知性あふ…

弱さ

職業的側面の成り行きによって愚生とY氏は年末大トリ仕事納めの仕事場管理を仰せつかった折、双方共に尋常の勤務態度とたがわず寡黙及び慎重を期して対応及び処理を進行する静謐及び敬虔な職業人たる時間の最中の心境、それはある種の祈りを帯びていた。曰…

ロイヤルミルクティー

ロイヤルミルクティーが好きだというお話。

サンタクロース現象

サンタクロースは人の名前ではなく現象の名前だった。 友人のSくんにサンタをやってほしいと頼まれ、少し考えてやることに決める。 Sくんのお子さんとは面識があり、何度か遊んだことがあったので、去年のクリスマスではすぐに正体がバレてしまった。つけ…

冬が新しいのは

冬が新しいのは、古い一年が終わるからかもしれない、と気がついた。 春が新しいのは、新しい顔が緊張して目の前に立っているからか。 秋が新しいのは、風の色が劇的に変化するから。 夏はいつも同じ夏。 昨日、今日と同級生たちと忘年会をした。名ばかりの…

小説

昨日はエッセイをまとめたので、今日は小説をまとめることにした。すっかり年末だ。 小説は全部紙の本で読んだ。小説の面白いところは、ありえないことを書いてもよいところだ。現実には起こらないようなことがたくさん書いてあるところはエッセイとは違って…

エッセイ

スマートフォンで電子書籍を読みはじめたのは、ここ一年ほどのことだった。色々考えて、電子書籍ではエッセイを重点的に読もうと決めた。 エッセイを読むのは、たぶん小説を読むことより好きだったはずで、学生の頃は小説より多くエッセイを読んだと思う。け…

歩き回る、本を読む

休日の空が晴れている。雲が多く、太陽が隠されていたため日差し自体はそれほど強くはない。乱反射した日光が空の高いところでばらばらに砕けて、だから全体的に銀色をした晴れの日に、何も予定がないということがこの上なく自由で、もう紅茶が香っていても…

現実

僕が考えたことなどは、現実の前では本当に意味のないことだ。 仕事を辞めた元後輩のM君から連絡があった。今度一緒に飯でも行きましょう。退職した方から連絡が来ることは、僕の人生の中では珍しい。大概の人とは二度と顔を合わせない。ある一時期を共有し…

大失敗をした日のこと

今日は、仕事でたくさん失敗をしたので、僕は落ち込んでいます。 落ち込んでいる時は、胃が重くなって、ことあるごとに失敗した映像が頭をよぎり「ウワーーーーッ」と叫びだしたくなります。そんなことをすると、人獣になってしまうので、やらないようにして…

散歩と写真

晴れていて、休日で、散歩です。 鳩が地面からばさばさ飛んだ。 なんだかよくわからないものが落ちていた。 ナナホシテントウムシがきれいだった。 ハクセキレイは走るのが速い。 すすきは赤みがかって体調が悪そうだった。 自然の中に突然鮮烈な色があるこ…

空中ショートケーキ

よくはれた黄色い朝 やさしさ袋がやぶれたので つくろいかたを忘れたので ごみ箱にかくしました みすぼらしくおもわれましたので さびしさを思い出せないから 台所を探してみます さらだあぶら さとう メイプルシロップ すたみな源たれ しお・こしょう これ…

映画ペンギン・ハイウェイを見たら思っていたよりもずっと夏だったので、夏の自分がどんな風だったか思い出せないことを思う。夏の空気に含まれている生き物の匂い、生と死の匂い、が夏の姿なのだとしたら、冬の風の無生物の匂い、シベリアの鉱物の匂い、は…